NISM コラム
お金にまつわるつぶやき
Vol. 23 同性婚はビジネス拡大のチャンス!?
投稿日:2023.02.08
2011年6月4日にアメリカ・ニューヨーク州では、同性カップルの結婚を認める法律ができました。これによって何が起こったのかというと、ブライダルビジネスの拡大でした。SDG’sや二酸化炭素削減、多様化社会の推進といった、一見「先進的」で「知的」に見えるキャンペーンは必ず、ビジネスという裏書があるということです。ビジネスの裏書自体は悪いことではありませんが、それを考えずに盲目的に「時流に乗る」ことは愚かと言えましょう。
同性婚を推進しない首相は、G7開催国の議長として「恥ずかしい」と短絡的に言う野党も愚かと言えます。日本以外のG7各国にはそれぞれの「事情」というものがあります。また、同性婚を認めるに至った長い歴史と経緯があって、それらを無視して盲目的に「善」だと思っている「多様化」を推進するのは如何なモノでしょうか?
アメリカを例にとると、アメリカの最大の問題、課題は人種問題です。カリフォルニア州にあるバルボア・ヨットクラブで2008年1月に開催された会議に参加しました。歴史・伝統・格式のあるクラブで、宿泊施設と会議施設を併設した大きな豪華会員制リゾートホテルと言った感じのところでした。しかし、2007年までは白人専用で黄色人種は宿泊どころか、職員以外敷地にはいることもできない施設でした。タイガー・ウッズがゴルフトーナメントに参加できないコースもあったことを記憶している方も多いでしょう。アメリカで異人種間の婚姻が全州で認められたのは、遠い昔の話ではありません。
そして宗教の問題があります。宗教によって同性婚が禁止されているケースがあります。アメリカは「多様化社会」なのでありとあらゆる宗教があると言えます。これらの宗教の信奉者、聖職者とどのように折り合いをつけるかという課題があります。そこには「肛門性交」を禁止するか認めるか、また「人工中絶」を禁止するか認めるかなどの問題があり、長い年月をかけて克服してきました。その中で同性婚も議論されてきました。
欧州各国の状況は、もっとも保守的と言われていたイタリアでも同性婚が合法化され、欧州のほとんどの国で同性婚が認められています。しかし欧州では同性婚が認められるようになっても実はあまり変化がないのです。
理由は50歳代以下のほとんどは「法律婚」つまり入籍を避け、「社会婚」(披露宴)、「事実婚」(同棲)だけで済ませているからです。理由は「離婚」の手続きが煩雑だからということです。異性間でも同性間でも入籍しないので同性婚の合法化は宗教上の問題以外では、ほとんど影響がないと言われています。日本は法律婚の比率が圧倒的に高く。離婚率も相対的には欧米よりも低いと言われているので、国情の違いということは考えなければならないでしょう。
各国にはそれぞれ固有の問題があり、これらをどのように克服してきたのか、野党の皆さんは再度勉強する必要があるでしょう。同性婚を認めることが善であるか悪であるかだけではなく、時間をかけて議論する必要があります。多様化を善とすれば、一夫多妻制を認めるのでしょうか?また、性的マイノリティを尊重するということは、「幼児愛」も認めるということでしょうか?これを認めるということは、性交同意年齢の引き上げは明らかに憲法違反となります。それらの線引きが法の下での平等=合憲である必要があります。
また、真の多様化を標榜するのであれば、同性愛について嫌悪感を持つヒトや、彼らの発言も尊重しなければなりません。現在の野党もマスコミも言葉狩りに終始しているのではないでしょうか?
同性婚を認めるかどうかという議論とともに、同性婚を認めないことのデメリットつまり相続を含む財産権の共有や、手術時の同意などの問題を克服する法整備がまず必要でしょう。そしてコロナ禍で甚大な影響を受けたブライダル業界の支援とでも加えては如何か。