NISMアソシエイツ株式会社

NISM コラム

お金にまつわるつぶやき

Vol. 30 中国経済は破綻するのか?

投稿日:2023.08.16

 中国の7月の製造業景況感が発表になり、4カ月連続の50割れとなりました。マスコミでは「すわっ、中国経済崩壊か⁉」と騒いでいますがどうでしょう。もうすぐ中国経済は崩壊すると言われて20年以上が経っています。(笑)

 一般的な民主主義国家(普通の国)では、最終需要の6割以上を占める「消費」で景況判断をしますが、中国の場合「消費」は5割以下なので「不動産投資」で判断します。そして不動産投資が振るわないということが、建設資材の不振という形で顕在化したのでしょう。つまり中国の景気はあまり良くないということは確かなようです。

 普通の国の場合、不動産投資が過熱してバブル状態にあるのか、あるいはバブルが崩壊しているのかどうかは不動産会社が破産、破綻して、それが連鎖しているかどうかで判断します。つまり債務不履行になった時点で債権者が裁判所に申し立てを行い、裁判所が合法的に作成されている財務諸表、特に貸借対照表を法律に照らし合わせ、破綻=債務超過認定を行います。債務超過になった企業に対しては一切の企業取引が停止され、指名された管財人が清算(資産の分配)を行います。

 ところが中国の場合は、普通の国で認められている「債権者の申立」が認められていません。債権者集会などを開けば逮捕されてしまいますので、取り付け騒ぎになるのですが、これも警察によって排除されてしまいます。また、普通の国で用いられている「会計基準」も存在しません。さらに国会、行政、司法の三権は分立しておらず、すべて中国共産党の「指導」下にあります。つまり司法(裁判所)の中立性・独立性も存在しないことから、債務超過=企業破綻という概念自体がありません

 その結果、中国最大手の不動産会社「恒大」が巨額の負債をかかえ、債務不履行となってから2年が経過しましたが、未だに「通常営業」状態にあります。普通の国であれば、裁判所がすでに破綻認定を行い、一切の企業取引が停止され、管財人が指名され、ほゞほゞ資産÷債務の比率で資産の分配が始まっているはずです。

 しかし恒大は「破綻」も「破産」もしていません。ということは、中国経済はこれから崩壊に向かうのか、既に崩壊しているのか、あるいは永遠に崩壊しないのか本当のところは誰も解らないというのが正解です。

 マスコミ登場する「専門家」によれば、恒大はこれまでに資産を貯め込んでいるので債務超過になっていないなどと訳のわからないことを言います。中国での一般的な不動産販売方法は、建物の建設をする前に販売し、その売上金で建設を進めるという「自転車操業」方式ですので、資産は不要です。そのため内部留保の必要はなく、利益は即配当されます。恒大に建設中の建物以外にそんな資産があるとは考えられません。

 恒大のように債務超過状態に陥っている中国の不動産業者は少なくないはずですが、普通の国で考えられている「バブル崩壊」は起こらないのかも知れません。しかし中国での「崩壊」はどんなものになるのでしょうか。日本の不動産バブルは「土地神話」が根拠になっていましたが、そもそも土地所有権のない中国での不動産バブルとは何なのでしょうか。「ゼロ・コロナ」政策を実施した国ですので、「ゼロ・倒産」政策として「徳政令」の可能性もみえてきました。お借り入れと中国投資は慎重に。

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